コミティア141の出張編集部で、自作の漫画のアドバイスなどを頂いてきたので、講評や所感についてまとめました。
出張編集部に興味はあるけど行ったことはない、と言う方向けのレポート記事になると思います。
出張編集部に持ち込んだ目的
私は投稿歴も完結作も特になく、プロを目指している訳でもありません。
ですが、同人活動を続ける中で、作品の今後の方向性に悩んだりもしていたので、漫画に対する客観的な意見が欲しくて訪ねてみました。
私について
本題に入る前に、私について簡単に書きます。
私は同人活動歴が6年目に入っていて、"年数だけで見たら"中堅に入り始めた感じです。
今は一次創作のギャグ漫画を中心に描いていて、初頒布からもうじき1年が経とうとしているところです。
持ち込んだ作品
今回持ち込んだ作品はこちらです。
株式投資を題材とした一次創作のギャグ漫画です。
想定している読者としては「株式投資に興味がある人」でした。
ちなみに作品の第1話はこちらです。
stock-club.hatenablog.com
講評の内容について
今回訪問したのは、コミックNewtype(KADOKAWA)と月刊少年マガジン(講談社)の2誌です。
どちらも連載作品が何本もアニメ化している有名雑誌ですね。
頂いたコメントを、省略しているものや表現を少し変えているものもありますが、カテゴリー別で紹介します。
漫画のテーマについて
まず、漫画のテーマについて頂いたコメントはこちらです。
- 株そのものをテーマとした漫画は珍しく、"ナシ"ではない
- 株に詳しくない人をターゲットにするには、フックが不十分
- ターゲットが狭すぎるのではないか?
以上のコメントについて、詳しく書いていきます。
株や投資をテーマにした漫画は、意外とたくさんあります。
ですが、基本的にマネーゲームが主軸になることが多いです。
それを踏まえて、『株式投資部へようこそ!』は株そのものをテーマにしているところが、珍しく映ったそうです。
こんな感じで、株取引そのものとは少し距離を置いた内容であることを言っているのだと思います。
次に、フックが足りないと言う点に対しては、"例えば"「異世界転生」とか「ラブコメ」のような、現在流行っている要素を取り入れられていないと言うことだそうです。
ターゲットが狭いことについては、私がこの漫画のターゲットとして「株に興味を持ち始めた人」を挙げていたことに対してのコメントです。
フック不足やターゲットの狭さに関しては、参考に留めることにしたいと思います。
理由としては、現状改善が難しい事もありますが、対策を行うことでかえって中途半端な作品になる可能性があるからです。
恐らくですが、"商業でやっていくには"ターゲットやフックに問題があると言う意味なのではないかと考えています。
現状、商業を考えている訳でもないので、保留としました。
漫画の内容について
漫画の内容については、以下のようなコメントを頂きました。
- ギャグの緩急が弱い
- パロディネタに走りすぎている
- 投資の失敗や成功、あるあるなど、分かりやすい話が見たい
ギャグの緩急が弱いと言うのは、話が始まったと思ったら、急に話が転じて、気付いたら終わってることを指すそうです。
起承転結の"承"と"結"が弱い、とも表現されていました。
パロディネタに走りすぎているという点については、オリジナルネタよりもパロディネタの方が目立ってしまっているのが問題なのだと解釈しています。
例えば、以下のようなパロディを入れていて、オリジナルネタよりもインパクトがあるような気はします。
漫画の内容に関しては、起承転結のバランスや、『株式投資部へようこそ!』ならではのネタの探索することで、解決させたいと思いました。
漫画の絵について
正直なところ、画力に関してが一番強く言っていたかなと思います。
頂いたコメントは、以下の通りです。
- デッサンの勉強が必要
- パースが出来ていない
- 陰影がない(少ない)
- キャラの描き分けが出来ていない
- 背景が足りない
- 模写などで練習量をこなした方が良い
想定はしていたのですが、指摘事項はかなり多かったですね。
例えば以下のようなシーンで、手首がありえない曲がり方をしているという指摘を受けました。
未だにどうおかしいのかは分かっていないのですが、違和感はありますね…。
パースに関しては、例えば以下は、部活帰りに全員が別々の牛丼屋に入っていくというシーンですが、店舗の遠近がおかしくなっていると言うような指摘を受けました。
描いてる時も違和感はあったのですが、改めて指摘されると、ヤバい感じはありますね…。
特にデッサンやパースについては強調されていたので、これらを中心に練習していきたいと思いました。
漫画は読みやすいか?
漫画の読みやすさについては、漫画が面白いかどうかと言うより、「メクリ」や「ヒキ」、コマ割りなど、漫画の文法的な部分に関するものが中心です。
以下のようなコメントを頂きました。
- 漫画としてダメなところは少ない
- 「メクリ」は問題ない
- 1ページ当たりのコマが多い
1ページ当たりのコマが多いと言うのは、個人的に想定外でした。
これについては、大きく見せているコマが少ない、と言うのが本質だと解釈しており、ギャグだけでなくコマの大きさについても緩急をつけていく必要があると思いました。
これからの対策
以上を受けて、優先的に取り組もうと考えていることはこちらです。
- 起承転結の"承"と"結"を厚くする
- 『株式投資部へようこそ!』ならではのネタ作り
- デッサンとパースの勉強をする
- コマ割りに緩急をつける
これらを改善させて、来年くらいに出張編集部に再チャレンジしたいと思います!
所感
出張編集部は、評価でボロクソに言われるだとか、SNSでフォロワーが数万人いるようなプロ直前の人しか相手にしていないだとか、 そういう黒い噂をよく耳にしていたので、行く前は緊張でいっぱいでした。
実際はどうだったかと言うと、少なくとも、プロ直前の人しか相手にしていないという印象は受けませんでしたし、質問に対して丁寧に回答を頂けました。
そして、ボロクソに言われたとは感じませんでした、と言いたいところではありますが、当事者になると結構キツいです。
特に、自信があった部分(特にギャグなど)についても多くの指摘を受けたので、目指す方向性がかえって分からなくなったりもしました。
最後に、出張編集部に行って良かったかどうかについては、総合的には良かったと思っています。
特に良かったと思っているのは、漫画に対して率直で客観的な意見が貰うことで、課題の優先順位が見えてくる点です。
例えば、絵については以前から漠然と課題を感じていましたが、何から取り組めばいいのかは分かっていませんでした。
今回訪問したことで、これから取り組む課題を洗い出せたので、良かったと思います!