日経平均株価とはご存じの通り、日本の代表的な会社の株価を平均して算出する株価指標です*1。
ニュースを見ていれば嫌でも耳に入ると思います。
そんな日経平均株価では、日本の225社の会社の株価が使われています。
どんな会社が入っているかはご存じでしょうか。
代表的な225社と言うだけあって、トヨタ自動車、ソニー、三菱UFJなど、知らない人はいないと言っても過言ではない会社が数多く入っています。
ちなみにこちらが、日経平均株価に採用されている銘柄の一覧です(全5ページ)。
www.nikkei.com
……恐らく3分の1くらいは聞いたことのない会社だったのではないでしょうか。
今回はその中でも、半導体分野で高いシェアを占めている会社を4社、紹介したいと思います!
信越化学工業
最初に紹介するのは、信越化学工業(4063)と言う会社です。
名前からは、規模の大きい会社であるということは感じられませんが(失礼)、知る人ぞ知る世界的企業です。
設立は1926年であり、もうすぐ設立100周年を迎える、歴史のある企業です。
そして現在も成長を続けており、2023年3月期には年間の税引前利益が1兆円を超えています。
では一体どんな会社なのかと言うと、水道パイプなどに使われる塩化ビニル樹脂(塩ビ)や、半導体の原料となるシリコンウェーハ*2など、汎用的な化学材料を製造販売している会社です。
化学メーカーならどこの会社でも売っていそうな製品なので、一体それでどうやって儲けるのかと疑問に感じる方も多いかもしれませんが、信越化学は高い世界シェアを握る製品を多く抱えており、塩ビとシリコンウェーハについては世界首位です。
塩ビは水道パイプなどの建築材料、シリコンウェーハは電子機器の材料として、不可欠と言っても過言ではありません。
そしてそれらの製品で高いシェアを握っているので、高い収益を得ることが出来るのです。
HOYA
次に紹介するのは、HOYA(7741)と言う会社で、ホーヤと読みます。
梅酒のCHOYAや化粧品のhoyuとは関係ありません(HOYAとCHOYAはロゴも似てるけど)。
HOYAは日本を代表する世界的なガラスメーカーで、2022年に日経平均に採用されました。
比較的最近の採用なので、新興企業っぽい印象を受けるかもしれませんが、創業は1941年なので、かなり歴史のある会社です。
日本のガラスメーカーと言えばAGC(旧旭硝子)が有名かと思います。
実際、売上高はAGCに比べてかなり劣りますが、本業の儲けを表す営業利益においては、HOYAの方が高くなっています(2023年3月期)。
AGCは建築や自動車の窓を用途とする板ガラスを始めとした幅広いガラス製品を扱っているのに対し、HOYAは光学ガラスやHDD用ガラス基板など収益性の高い事業を主力としているのです。
ちなみにHOYAはガラス製品だけでなく、メガネレンズやソフトコンタクトレンズなども製造販売しています。
コンタクトレンズにお世話になっている方の中にはアイシティをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、アイシティを運営しているのはHOYAです。
一見、半導体とはあまり関係のなさそうな会社ですが、HOYAは半導体を製造する際に使用するガラス基板であるマスクブランクスで世界1位のシェアを握っています。
半導体は、材料であるシリコンウェーハに回路パターンを焼き付けることで作製するのですが、その時の原版の基盤となるのが、マスクブランクスです。
東京エレクトロン
次に紹介するのは、東京エレクトロン(8035)と言う会社です。
設立は1963年で、実は現在のTBSが出資して誕生した会社です。
給料が高いことでも有名*3で、CMをやっていたりもするので、この記事で紹介している会社の中では比較的知名度の高い会社なのではないかと思います。
どんな会社かと言うと、「半導体製造装置」を製造している会社です。
文字通り、半導体を作るための装置であり、東京エレクトロンは半導体製造装置でも世界4位の会社です*4。
半導体は、製造に多数の工程を経る必要があります。
そのため、半導体製造装置と一括りに言ってはいますが、「半導体洗浄装置」、「半導体露光装置」、「半導体検査装置」など、工程別に様々な種類の装置があります。
そして東京エレクトロンが強みとしているのは、塗布現像装置、エッチング装置など、シリコンウェーハに回路を作り込むための装置です。
特に塗布現像装置については世界1位のシェアを誇っています。
日本は半導体で世界に劣っていると言うイメージがありますが、それは半導体の設計開発においてであり、半導体製造装置については世界1位に肉薄しています。
そして日本には、半導体製造装置で世界首位クラスの会社が、他にもたくさんあります。
ルネサスエレクトロニクス
最後に紹介するのが、ルネサスエレクトロニクス(6723)です。
2023年に日経平均に採用され、2023年に株価が2倍になった日本の半導体メーカーです。
設立は2002年と、上記3社と比べると歴史が浅い企業に見えますが、三菱電機、日立製作所、NECと、歴史のある会社の半導体事業が統合して設立されたと言う背景があります。
先ほど、日本は半導体の設計開発で世界に劣っていると書いてしまいました。
確かに、アメリカや韓国の半導体メーカーは非常に強いですし、過去には日本が半導体でも首位級だったのに凋落してしまった過去もあるので、日本の半導体についてはあまり良いイメージが無いかもしれません。
しかし、日本にも世界に対抗しうる半導体企業はあり、その代表格がルネサスエレクトロニクスです。
半導体は、機能や用途に応じて様々な種類があるのですが、ルネサスエレクトロニクスは自動車の制御をするための半導体である車載マイコンで世界首位のシェアを握っています。
まとめ
日経平均株価には日本を代表とする225社が採用されていますが、中には知名度が低い会社もあります。
その中で今回は、半導体に関連した会社を4社紹介しました。
聞いたことのある会社は何社ありましたでしょうか。
今回紹介した会社は、いずれも企業間取引(BtoB)を主とする会社であり、言ってしまうと"知らないのが当然"の会社です。
そして日本には、知名度は低いけど特定の分野で世界首位を誇る会社が、まだまだたくさんあるので、今後も似たような記事を書いていきたいと思っています!
宣伝
最後に宣伝にはなりますが、株式投資を題材としたギャグ漫画を描いています。
「知名度は低いけど凄い会社」も紹介したりしているので、読んで頂けたら嬉しいです!