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解説
漫画の内容について、よく分からないところがあったと言う方もいらっしゃると思うので、簡単に解説します。
野球と株に何の関係があるのですか?
日本のプロ野球チームには、セ・リーグとパ・リーグを合わせて12球団ありますが、全て企業がバックについています。
例えば読売ジャイアンツ(巨人)の場合は、読売新聞グループ本社です。
12球団すべてのオーナー企業を挙げると、以下のようになります。
球団名 | 運営母体 |
---|---|
読売ジャイアンツ | 読売新聞グループ本社 (非上場) |
阪神タイガース | 阪神阪急鉄道 (阪神阪急HDの子会社) |
中日ドラゴンズ | 中日新聞社 (非上場) |
東京ヤクルトスワローズ | ヤクルト本社 |
横浜DeNAベイスターズ | ディー・エヌ・エー |
広島東洋カープ | マツダ |
オリックス・バファローズ | オリックス |
福岡ソフトバンクホークス | ソフトバンクグループ |
埼玉西武ライオンズ | 西武鉄道 (西武HDの子会社) |
北海道日本ハムファイターズ | 日本ハム |
千葉ロッテマリーンズ | ロッテホールディングス (非上場) |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 楽天グループ |
そしてこれらの会社の中には、実際に私達が株を売買できる企業があります(買える値段かはさておき)。
なぜ勝敗予想表に載ってない球団があるのですか?
勝敗表に載っていない球団については、一般人がオーナー企業の株を売買できません。
逆に言えば、載っている球団は運営会社(もしくはその親会社)の株を売買できます。
一般人が株を売買できる企業を上場企業と言うのですが、上場していない企業の株は、直接株主から買い取れるなどのコネでもない限り、買えません。
実は上場している会社は、株式会社全体から見るとかなり少なく、
日本には株式会社が約400万社あると言われているのですが、その中で株式市場に上場しているのは4000社未満です。
「ストップ高」って何ですか?
株価は需要が増えると高くなりますが、日本株では一日で株価が二倍になったりするようなことはありません*1。
逆に、株価が一日で半分になることもありません*2。
これは、一日において株価の変動幅に制限があるためです。
前営業日の株価ごとに値幅制限が決められており、基準の株価にも依りますが大体±30%以下に収まります。
そして株価が値幅制限の上限に到達したときにストップ高となります。 反対に下限に到達したときはストップ安になります。
ストップ高やストップ安は、株価が安定しにくい小規模の会社ではよく起きますが、大企業ではよほどのことがない限り発生しません。
株価が高い会社の方が、優れているのですか?
一概には言えません。
例えば作中ではヤクルト本社と楽天グループの株価チャートが登場していますが、楽天の株価が608円であるのに対し、ヤクルトの株価が9750円になっています。
ヤクルトの株価が楽天の株価の約16倍になっており、ヤクルトが楽天よりもはるかに優れた会社のように見えます。
確かに楽天よりもヤクルトの方が株式市場では評価されているのですが(2023年6月現在)、それは株価が高いからと言う訳ではありません。
なぜなら発行している株式の数が異なるからで、二つの会社の株価を比べるには、発行済みの株式数を株価に掛けてあげる必要があります。
株価に発行済み株式数を掛けた、つまりその会社の株式を全て買い占めるのに必要な金額を時価総額と言うのですが、楽天グループは約1兆円であるのに対し、ヤクルト本社は約1兆6000億円です。
ヤクルトの方が時価総額は高くなっていますが、株価ほどは差が開いていないことが分かります。
また、時価総額を比較することでヤクルトの方が楽天より株式市場で評価されていることは分かりますが、株価には投機的な要因や、投資家の不安や期待が乗っかっています。
したがって、時価総額の比較だけによって、会社間の優劣を決めるのは難しいです。